広告 体重・体組成管理

アスリートの減量とは?ダイエットとの違いと目的をわかりやすく解説

こんにちは、アスリートの知恵袋のバラです。

「減量とダイエットって、結局同じこと?」「競技のために体重を落とすのは、なぜ?」。部活動やトレーニングに取り組んでいると、この二つの言葉を耳にする機会があります。特に柔道やレスリングのように階級がある競技では、減量が試合の準備と結びついています。

ただ、数字だけを見て身体を軽くすれば競技力が上がる、というほど単純ではありません。体重が同じように減っても、体脂肪が減った場合と、筋肉や水分を失った場合では意味が違うからです。むしろ、練習の質を落としてしまう減量なら、その方法や目標を見直す必要があります。

フィジカルコーチとして大切にしているのは、体重そのものではなく、選手が試合で発揮できる能力。この記事では言葉の意味から競技ごとの目的、体重の内訳、減量中に確かめたいことまで、学生アスリートにもわかりやすく説明します。

この記事でわかること

  • 減量とダイエットの意味と違い

  • アスリートが競技のために減量する理由

  • 体脂肪と筋肉・水分による体重変化の違い

  • 減量中に筋力と練習の質を守る考え方

まず押さえたい結論:アスリートの減量は、階級や競技特性に合わせて必要な体重へ調整する行為です。体重計の数字だけで成功を判断せず、筋量や練習の質、体調を合わせて確認することが欠かせません。そもそも減量が不要な選手もいます。

減量とダイエットの違いとは

最初に言葉の意味を確認しましょう。普段の会話では似た意味で使われますが、まったく同じ言葉というわけではありません。

減量の意味は体重を減らすこと

減量(げんりょう)は、もともと重さや量を減らすことを指す言葉です。人の身体に対して使うときは、主に体重を減らすという意味になります。減量の目的はスポーツだけではなく、健康管理や治療に関連する場合もあるため、「減量=アスリートの行為」と限定するのは正確ではありません。

競技の世界では「大会までに規定体重へ合わせる」「現在の体組成を見直す」といった文脈で使うことが多くなります。例えば、体重別階級のある選手が試合に向けて体重を調整するのは代表的な例。一方で、競技に体重制限がなくても、必要性が確認された場合に体脂肪量を調整することはあります。

つまり、減量は体重を減らすという行為や結果を示す言葉であり、何のために減らすのかは、その人の目的によって変わるんです。

ダイエットは食事管理も含む

日本で「ダイエット」と聞くと、体型を細くするための食事制限や運動を思い浮かべる人が多いでしょう。実際、日常会話では体重や体脂肪を減らす取り組み全般を指して使われています。とはいえ、ダイエットを「食べないこと」と考えるのは誤解です。

もともと英語の「diet」には、日常的な食事や食生活という意味があります。必ずしも体重を減らすことを指すわけではなく、健康や競技活動に必要な食事の組み立ても含まれます。食事を十分に取ることが大切な選手にとっても、食生活の管理は必要です。

ダイエットは見た目のためだけ、減量はスポーツのためだけ、ときっぱり分けることはできません。両者は重なる部分があり、言葉の意味と目的を分けて考えると理解しやすくなります。

違いを比較表で確認する

似ているところと異なるところを並べると、言葉の使い分けが見えてきます。日本語のダイエットと英語のdietにも違いがあるため、その点も意識してください。

比較する項目 減量 ダイエット
中心となる意味 体重や重量を減らすこと 日本語では体重・体型管理、英語では食生活など
目的 健康管理、階級への適合、体組成の調整など 体型改善、健康管理、食事内容の改善など
食事との関係 手段の一つとして食事を調整する 食事管理そのものを指す場合もある
必ず体重が減るか 体重を減らすことが目標 体重維持や食生活改善を目的とする場合もある
競技で重視する点 規定体重、体組成、試合での能力 練習と回復を支える栄養管理

例えば「食事の内容を改善して身体の調子を整える」のは、体重が減らなくても意味のある取り組みです。逆に「体重を落としたけれど、練習で力が出なくなった」という場合、減量という結果は出ても競技面では望ましくありません。

痩せることとの違いも知ろう

「痩せる」は、体重が減ることのほか、身体が細く見えることなどを表す日常的な言葉です。減量よりも見た目の変化に注目して使われる場合があります。しかし、細く見えることと、競技に適した身体であることは別の話です。

筋肉量が増えて体脂肪が減れば、体重があまり変わらなくても体型が変化することがあります。反対に、体重が減っていても、身体の水分が一時的に失われただけかもしれません。見た目、体重、体組成は関連しますが、同じ数字で表せるものではないんです。

身体を評価するときは「痩せたかどうか」だけで判断せず、競技動作がどう変化したか、疲労が残っていないかまで目を向けてみましょう。

アスリートが減量する理由

階級制競技の試合に向けて体重計を確認する男性アスリートとトレーナー
階級制競技の試合に向けて体重計を確認する男性アスリートとトレーナー

アスリートが体重を落とす理由は競技によって違います。階級の条件を満たすための減量と、身体の動かしやすさを求める体組成の調整では、考えるべきことも変わります。

階級制競技の規定体重に合わせる

柔道、レスリング、ボクシング、テコンドー、ウエイトリフティングなどには体重別の階級があります。体格差の影響を抑え、比較的近い体重の選手同士が競技できるように設けられた仕組みです。出場予定の階級に体重の上限があるなら、計量でその条件を満たす必要があります。

ここで忘れたくないのが、階級制競技でも、全員が減量しなければならないわけではないということ。自然な体重で出場できる階級を選ぶ方法もあります。少し軽い階級へ行くことだけが正解とは限りません。計量に成功しても、試合で動けなければ本来の目的から外れてしまいます。

また、計量が試合の前日なのか当日なのか、いつ行われるかは大会や競技規則によって異なります。方法を考える前に、出場予定大会の公式ルールを確認する必要があります。

体格の優位性を狙う場合がある

格闘技では、計量時に規定体重を満たし、その後の補給によって試合時の体重が変わる場合があります。このため、相手に対して体格面で有利になろうとする考え方が存在します。これがボクサーなどが減量する理由の一つです。

ただし、計量後の補給ですべての影響を取り戻せるわけではありません。急激な水分制限などで脱水が進むと、体温調節や集中力、運動能力に悪影響が出る可能性があります。回復が不十分なまま試合に出れば、狙っていた有利さが失われることも考えられます。

「軽い階級なら必ず有利」「体重を大きく落とした方が勝てる」と受け取らないでください。階級選択は体格、体力、健康状態、ルールを踏まえて慎重に決めたいところです。

体脂肪を見直す場合もある

走る、跳ぶ、方向を変えるといった動作では、自分の身体を動かすために力が必要になります。競技や選手によっては、余分な体脂肪を減らすことで、体重に対して発揮できる力や動作効率が改善する可能性があります。

例えば、ジャンプの高さを改善したい選手がいるとします。その選手に必要なのは、単純に身体を軽くすることかもしれませんし、ジャンプ動作の技術や下肢のパワーを高めることかもしれません。体脂肪を落とすことだけに目を向けて、重要なトレーニングを後回しにするのは本末転倒です。

すでに適切な体組成の選手が、さらに体脂肪を減らしても競技力が向上するとは限りません。減量が必要かどうかを考えること自体が、最初の大切な判断になります。

球技では軽さだけを求めない

サッカー、ハンドボール、バスケットボールなどの球技では、スプリントや切り返し、ジャンプ、相手との接触など、さまざまな能力が必要です。同じ競技でも、ポジションやプレースタイルによって求められる体格が異なります。

例えば、移動の速さが求められるからといって、体重だけを落とせばスプリント能力が上がるとは限りません。脚の筋力やパワーを失えば、加速や踏み込みが鈍くなる可能性もあります。反対に、必要な筋肉を維持しながら体組成を調整した結果、動きやすくなる選手もいるでしょう。

競技特性を踏まえると、身体を軽くするより筋力を高める方が適切な場合も多くあります。数字よりも、コートやフィールドで必要な動きを優先したいですね。

競技別の目的を比べる

よく知られている競技を例にすると、減量の位置づけは次のようになります。あくまで一般的な傾向であり、個人の体重を減らすべきだと決める表ではありません。

競技 体重管理で考える目的 見落としたくない点
柔道・レスリング 出場階級の条件に合わせる 組み合う力、持久力、計量後の回復
ボクシング 階級への適合と体格面の戦略 脱水や集中力低下のリスク
ウエイトリフティング 階級に応じて挙上能力を発揮する 最大筋力とパワーの維持
長距離走 必要性があれば体組成を見直す 持久力、骨の健康、エネルギー不足
サッカー・ハンドボール ポジションに合う身体を目指す 筋力、スピード、接触への対応
体操・フィギュア 競技に必要な身体操作と健康を両立する 過度な痩身志向や成長への影響

どの競技でも「体重が軽いほどよい」という共通ルールはありません。階級があるなら規定を守り、階級がないなら競技に必要な能力から考える。これが基本です。

体重が減っても競技力は別の話

体重計には身体の総重量しか表示されません。その数字の中身を知らずに減量を評価すると、大切な変化を見落とすことがあります。

体重は脂肪だけで決まらない

身体の重さは、体脂肪、筋肉、骨、臓器、血液や体液など、さまざまな部分で構成されています。そのため、体重が減ったという事実だけでは、何が減ったのか判断できません。減量を考えるうえでは「何kg減ったか」に加え、「何が変わったか」が重要になります。

例えば同じ3kgの体重減少でも、体脂肪が主に減ったケースと、水分が一時的に失われたケースでは意味が違います。後者は水分を補給すれば戻る可能性がありますし、脱水が進んでいれば練習や試合への悪影響も心配です。

なお、体重から脂肪量を差し引いた部分を「除脂肪量」と呼びます。筋肉だけでなく骨や内臓、水分も含まれるので、除脂肪量の変化をそのまま筋肉の増減と決めつけないようにしましょう。

筋肉を減らすと何が起こるか

筋肉は競技動作を生み出す大切な組織です。必要な筋肉量が減ると、力を発揮する能力にも影響する可能性があります。もちろん、筋力は筋肉の大きさだけで決まりません。神経系の働きや技術なども関係しますが、だからといって筋肉を減らしてよいわけではないんです。

例えば、減量前には同じ重量のスクワットを安定して行えていたのに、減量後は回数が大きく減り、疲れも抜けないとします。そのとき、体重が落ちたことだけを成功と考えるのは危険です。練習の負荷に耐えられるか、回復しているかも含めて見直した方がよいでしょう。

筋力トレーニングの内容を振り返る際は、種目、重量、回数、主観的なきつさを合わせて確認してください。詳しい記録の見方は筋トレのレップ数と目的別の回数でも説明しています。

ジムでトレーナーがアスリートに筋力トレーニングのポイントを説明する場面
減量中も筋力トレーニングの質を確かめることが大切

水分や糖質の変化でも体重は動く

運動で大量の汗をかいた直後は、身体の水分が減って体重が軽くなることがあります。また、筋肉や肝臓に蓄えられる糖質の一種「グリコーゲン」が減ると、それに伴う水分の変化などによって体重が動くこともあります。食事や便など、消化管の中身による違いも無視できません。

だから、前日より体重が減ったからといって、すぐに体脂肪が減ったとはいえません。反対に、食事と水分を十分に取った翌朝に体重が少し増えても、その分がすべて脂肪になったわけではないんです。

特に試合前の短期間に見られる体重変化は、脂肪以外の要因を含みます。目先の数値だけを追うほど、大切な身体のサインを見落としやすくなります。

体脂肪率の数字にも注意する

体脂肪率は、体重のうち体脂肪が占める割合を表す指標です。ただし、体脂肪率が低いほど競技力が高いと決まっているわけではありません。必要な体脂肪の量には個人差があり、年齢や競技、健康状態によっても考え方が変わります。

家庭用の体組成計は、微弱な電気を利用して身体の組成を推定する方式が一般的です。発汗、飲食、測定時間などの影響を受けるため、毎回の小さな増減がそのまま脂肪や筋肉の変化を示すとは限りません。測るなら同じ条件を意識し、数値を過信しないことが重要です。

特に未成年の選手では、体脂肪率の測定を繰り返して体型を追い込むことが、かえって健康や心理面に悪影響を与える場合があります。家庭用の体組成計を使う場合も、目的を明確にし、必要なときに専門家の判断と組み合わせるべきでしょう。

減量中は何を優先するべきか

栄養バランスのよい食事を前にノートを確認する女性アスリート
栄養バランスのよい食事を前にノートを確認する女性アスリート

減量が本当に必要だと判断されたなら、体重だけを追うより、競技のために必要な能力を失わないことを優先しましょう。食事、運動、休養を別々に考えないのがポイントです。

まず減量が必要かを考える

最初に自分へ問いかけてほしいのは「なぜ体重を落とす必要があるのか」です。出場階級の条件を満たすためなのか、体組成の見直しによって競技動作の改善が見込めるからなのか。目的があいまいなまま、周囲の選手と同じ体重を目指す必要はありません。

今の身体で良いパフォーマンスを発揮できている選手なら、体重を維持して筋力や技術を高める方が合っているかもしれません。体格が変化している成長期には、以前の体重を無理に守ること自体が適切でない場合もあります。

身体の状態だけでなく、練習内容、試合日程、健康状態、本人の希望を確かめることが大切です。特に未成年の選手は、指導者だけで決めず、保護者や医師、公認スポーツ栄養士などの適切な支援を受けてください。

食事は練習を支えるために取る

体脂肪を減らす取り組みでは、一定期間のエネルギー摂取量と消費量の関係が体重変化に影響します。ただし、消費量より少なく食べればよい、と単純に考えるのは禁物です。アスリートは運動するためだけでなく、身体を回復させたり健康を維持したりするためにもエネルギーが必要になります。

ご飯やパンなどの炭水化物は、練習で使う大切なエネルギー源。たんぱく質は筋肉の修復に、脂質は身体のさまざまな機能に関わります。野菜や果物などから取るビタミン・ミネラルも欠かせません。特定の栄養素を一律に抜くより、練習量と生活に合った食事を考えることが先です。

食事量を減らしすぎて練習の後半に力が出ない、回復が遅い、といった状態では意味がありません。アスリート向けのスポーツ栄養書は、食品の役割を知る助けになりますが、個人の摂取量は年齢や運動量を踏まえて専門家と判断しましょう。

筋力トレーニングは続けたい

体脂肪を減らす必要がある場合でも、筋肉を守るための運動は重要です。適切なたんぱく質摂取とレジスタンストレーニングは、減量中の筋量維持に役立つと考えられています。だからといって、減量前と同じ練習量を無理に押し通すという意味ではありません。

疲労が増えているなら、トレーニングの量や頻度を調整する必要があります。普段扱っている重量が極端に落ちていないか、正しいフォームを維持できているか、練習後に回復できているかを確認してください。

部活の練習と筋トレの両方がある場合は、負荷を合計して考えましょう。週内の回復を踏まえた考え方は筋トレの頻度と休養の決め方が参考になります。減量だけに合わせて筋トレを増やすことが、必ずしも良い選択になるわけではありません。

体重と一緒に練習の質を記録する

体重の変化だけを記録しても、競技の準備がうまく進んでいるかは判断しにくいものです。筋トレで扱う重量と回数、スプリントやジャンプなどのパフォーマンス、練習後の疲労感、睡眠の状態などを合わせて振り返ってみましょう。

例えば、体重は少し減ったものの、練習での動きが以前と変わらず、回復も良好なら、当初の目的に向けて進めている可能性があります。一方で、体重が急に落ちて練習が続かず、朝から疲れているなら、進め方を見直すサインかもしれません。体調や能力には日々のばらつきもあるため、一度の測定だけで決めないことが大切です。

重量・回数・体調を書き込めるトレーニングノートがあると、体重だけに偏らず振り返れます。スマートフォンへの記録でも十分。続けられる方法を選んでください。

試合日程に合わせて判断する

減量を考えるとき、競技シーズンのどの時期なのかも重要です。試合が続く時期に大きな体重変化を求めると、食事量や回復が不足し、肝心の競技へ影響する可能性があります。準備期間が十分にある場合と、大会直前の場合を同じように考えることはできません。

年間の練習を準備期や試合期などに分けて考える「ピリオダイゼーション」の視点を持つと、体重管理も練習計画と切り離せないことが分かります。大会前は新しい能力を無理に伸ばそうとするより、疲労を抑えて持っている力を発揮することが重視される時期です。

大会までの計画を立てる際はマクロ・メゾ・ミクロの期分けの考え方も参考にしてください。急いで数字を合わせる前に、計画そのものに無理がないか確かめることが大切です。

「強くなるために体重を落とすのであって、体重を落とすために強さを犠牲にしてはいけない」。私が学生に伝えたいのは、この考え方です。目標体重よりも、競技で発揮できる力を大切にしてください。

急な減量に潜むリスク

練習後に疲労した女性アスリートの体調を確認する男性トレーナー
練習後に疲労したアスリートの体調を確認する

短期間で体重が大きく減ると、結果が出たように感じるかもしれません。しかし、急な体重変化には脂肪以外の減少が含まれ、健康や競技力に負担をかける場合があります。

水抜きと脂肪を減らすのは別

「水抜き」は、身体にある水分を一時的に減らして体重を落とす行為です。脂肪を減らす取り組みとは仕組みが違います。汗を大量にかいた後に体重計の数字が下がっていても、それだけで体脂肪が減ったわけではありません。

脱水が進むと、運動能力や集中力、体温調節に悪影響が出る可能性があります。特に暑い環境や高強度の運動を伴うと危険性は高まります。計量があるからといって、水抜きが必要だと考えないでください。水分制限や過度な発汗を促す方法を自己判断で行うことは避けるべきです。

体重別階級の選手が体重管理を考える際には、国立スポーツ科学センターが公開している「体重階級制競技のウエイトコントロールガイドブック」の案内など、専門機関の一次資料も確認してください。

エネルギー不足は健康にも影響

運動でエネルギーを多く消費しているのに食事が足りない状態が続くと、身体の維持や回復に使えるエネルギーが不足することがあります。これが深刻化すると、筋力や持久力だけでなく、骨の健康、免疫、ホルモン機能などにも悪影響が生じる可能性があります。

スポーツにおける相対的エネルギー不足は「REDs」と呼ばれ、男性にも女性にも起こります。減量中の食事制限がすべてREDsになるわけではありませんが、長く続く不足や過度な制限は軽く考えられません。詳しくは国際オリンピック委員会(IOC)のREDsに関する2023年合意声明で説明されています。

疲労が抜けない、体調を崩しやすい、ケガが増える、月経に変化があるなどの兆候があれば、体重目標を優先し続けるのではなく、医療・栄養の専門家に相談してください。

成長期は無理な減量を避ける

中学生や高校生は、練習でエネルギーを使うだけでなく、身長や骨格など身体の成長にも栄養が必要です。成人選手の体重調整をそのまままねすると、成長に必要なものまで不足する可能性があります。体重が増えることも成長の一部であり、必ずしも悪い変化ではありません。

特に柔道などの階級制競技では、目標の階級に合わせるために無理をしてしまう場合があります。それでも、成長を犠牲にしてまで階級を維持することが適切とはいえません。成長期の選手にとっては、減量しない選択や階級を見直す選択も重要です。

保護者や指導者には、体型や体重を一方的に評価するのではなく、本人の健康と競技生活を支える姿勢が求められます。詳しくは高校生の筋トレと負荷の決め方でも、成長段階に合わせた運動の考え方を紹介しています。

危険なサインを見逃さない

食事を減らした後から練習の後半に力が出ない、以前より疲れが続く、寝つきが悪い、集中できない。こうした変化は、減量の進め方を見直すきっかけになります。いつもより体重が減ったことを喜ぶ前に、身体がどう感じているか確かめましょう。

頻繁なケガ、月経異常、食事への強い不安、体重への過度なこだわりも見過ごせません。症状には複数の原因が考えられるため、自己診断は避けてください。めまいや失神、強い脱力、意識状態の変化などがあれば、減量を中断して速やかに医療機関へ相談する必要があります。

「数字を達成するまで我慢する」という発想ではなく、健康を守りながら練習を続けられるかを基準にしましょう。調子が悪いときほど、休むことや計画を変えることにも意味があります。

減量に関する言葉を確認する

最後に、検索されやすい「減量中」「増量」「英語表現」などの用語も押さえましょう。言葉を知っておくと、コーチの説明や海外の競技情報も理解しやすくなります。

減量中とはどんな状態か

「減量中」とは、体重を減らすという目的に向けて、食事や運動、生活習慣を調整している期間を指します。必ずしも極端な食事制限をしているわけではなく、通常の練習や食事を続けながら、必要な範囲で調整する場合もあります。

筋トレやボディメイクの分野では「減量期」という言葉も使われます。体脂肪量を減らす時期と、筋肉を増やすために食事やトレーニングを組み立てる時期を区別して説明することがあります。ただ、競技のある選手なら、減量期の設定が試合や練習にどんな影響を与えるかを優先して考えるべきです。

減量中だから食事を抜く、運動量を増やし続ける、という意味ではありません。むしろ、必要な栄養を取りながら身体の変化を慎重に確かめる期間と捉える方がよいでしょう。

減量の反対は増量

減量の反対語は「増量(ぞうりょう)」です。身体の話では体重を増やすことを指し、筋肉量を増やす目的で使われる場合もあります。ただし、体重の増加がそのまま筋肉の増加を意味するわけではありません。脂肪や水分などでも体重は増えます。

アスリートの体重管理には、減量・増量のほかに「維持」もあります。現在の体重が競技に合っているなら、維持しながら技術や筋力を高めることも十分な選択肢です。

体重を増やすべきか減らすべきかを周囲との比較で決めるのではなく、今の自分に必要な能力から判断してください。成長期の選手なら、身体の自然な発育による増加も考慮する必要があります。

減量は英語でどう言う

英語では、減量を「weight loss」、体重を減らすことを「lose weight」と表現します。一方で、競技の計量に向けて体重を落とす場合は「cut weight」「weight cutting」という言葉が使われます。どちらも減量に関係しますが、文脈が少し異なります。

英語表現 日本語での意味
weight loss 体重減少、減量
lose weight 体重を減らす
fat loss 体脂肪の減少
weight cutting 主に階級制競技で計量に向けて行う減量
make weight 規定体重をクリアする
weight management 減量・増量・維持を含む体重管理

例えば「I need to make weight.」なら「規定体重をクリアする必要があります」という意味です。「I'm trying to lose body fat while maintaining muscle mass.」なら「筋肉量を維持しながら体脂肪を減らそうとしています」となります。

海外の選手が「diet」と話していても、必ずしも減量を意味するとは限りません。普段の食事という意味もあるので、前後の話から読み取ってください。

減量とダイエットのよくある質問

基本の違いを理解したところで、学生や競技者が疑問に感じやすい点へ短く答えます。

減量とダイエットのFAQ

Q1. 減量とダイエットは同じ意味ですか?

A. 完全に同じではありません。減量は体重を減らす行為を指し、ダイエットは日本語では体重・体型管理、英語では食生活などの意味があります。両者は重なる部分もあるため、目的と文脈で判断してください。

Q2. なぜアスリートは減量するのですか?

A. 階級制競技の規定体重を満たすためや、必要に応じて体組成を調整するためです。ただし、体重を落とせば必ず競技力が上がるわけではなく、減量しない方が適切な選手もいます。

Q3. 減量中は食事を減らす必要がありますか?

A. 体脂肪を減らすにはエネルギーバランスが関係しますが、極端な食事制限は避けるべきです。練習や身体の機能を支える栄養が必要なので、年齢や競技に合った方法を専門家と検討してください。

Q4. 減量の読み方と反対語は何ですか?

A. 減量は「げんりょう」と読み、反対語は「増量(ぞうりょう)」です。体重を変えずに保つことは「体重維持」と呼びます。競技では減量だけでなく、維持や増量も選択肢になります。

Q5. 減量と水抜きは何が違いますか?

A. 減量は体重を減らすこと全般、水抜きは身体の水分を一時的に減らす行為です。水抜きは体脂肪を減らすこととは異なり、脱水による健康上の危険があるため、自己判断で行わないでください。

まとめ|減量は競技力を基準に

減量とダイエットは似ていても、減量は体重を減らす行為、ダイエットは食事や体重・体型を管理する取り組みという違いがあります。スポーツで大切なのは、言葉の違いを知ったうえで、何のために体重を変えるのかを考えることです。

  • 減量が必要かどうかは競技や階級、現在の身体の状態によって異なる
  • 体重が減っても、体脂肪が減ったとは限らない
  • 筋量、筋力、練習の質、回復状態を合わせて確かめる
  • 急速な水分制限や過度な食事制限は競技力と健康を損なう可能性がある
  • 成長期は身体の発育を優先し、無理な減量を避ける
  • 競技に合っているなら体重の維持や筋力アップも大切な選択肢になる

フィジカルコーチとして私が伝えたいのは、「強くなるために体重を落とすのであって、体重を落とすために強さを犠牲にしてはいけない」ということです。体重が減ったという結果だけで満足せず、以前より良い動きができているか、練習に集中できているかを確かめてください。

アスリートの減量は、見た目だけを目的に体重を落とすことではなく、階級・競技特性・体組成・パフォーマンスを踏まえて必要な体重へ調整する行為として考えるべきです。体重の数字だけを追わず、筋量や練習の質を保てているかを優先します。

身体の状態や大会の条件には個人差があります。正確な競技規則は公式サイトをご確認ください。具体的な減量の必要性や方法についての最終的な判断は、医師や公認スポーツ栄養士などの専門家にご相談ください。

-体重・体組成管理