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競技別ピリオダイゼーション例|球技・陸上・持久系を徹底解説

こんにちは、アスリートの知恵袋のバラです。

ピリオダイゼーションを学ぶと、「準備期から始めて、筋力を高め、最後にパワーへ移行する」といった年間計画を目にすることがあります。ただ、ここで注意したいのが、同じ年間表を競技名だけ変えて使わないことです。

100mを走る陸上短距離選手と、年間を通して何度も試合を行う野球選手では、ピークを作る回数が違います。競泳では泳ぐ距離とレース速度の配分が重要になりますし、ロードバイクやマラソンでは膨大な持久系トレーニングの中へ高強度刺激をどう配置するかがポイントです。

バスケットボール、ラグビー、バレーボールのような球技になると、さらに考え方が変わります。試合そのものが大きな負荷になるため、トレーニングだけを見て年間計画を作るわけにはいきません。

私がフィジカルの計画を考える際に最も大切にしているのは、競技名ではなく「競技特性と試合日程」から逆算することです。この記事では、各競技で「いつ、どの能力を高めるのか」という視点から具体例を紹介していきます。

この記事でわかること

  • 競技によって期分けが変わる理由

  • 陸上・野球・競泳の年間計画例

  • 球技・持久系競技での負荷調整

  • 競技別にピークを作る考え方

ピリオダイゼーションには準備期、試合期、移行期といった共通した枠組みがあります。ただし、その中身まで全競技で同じにする必要はありません。

違いを生む大きな要素は、試合頻度、競技時間、必要な体力要素、重点大会の数です。

試合頻度が計画を左右する

陸上競技の短距離選手であれば、年間の中でも特に重要な大会へ向けて状態を高めていく計画を作りやすくなります。一方、プロ野球やリーグ戦形式の球技では、数か月にわたって試合が続きます。

この違いはかなり大きいです。大会へ向けて一度大きなピークを作る競技と、毎週一定以上のパフォーマンスを出し続ける競技では、同じピーキング方法は使えません。

競技別ピリオダイゼーションでは、「何月が筋力期か」より先に「重要な試合がいつ、何回あるか」を確認します。

必要な能力も競技で違う

短距離走では加速、最高速度、筋力、パワーなどが重要です。マラソンでは長時間運動を支える有酸素能力やレースペースへの適応が中心になります。

バスケやラグビーなら、スプリント、ジャンプ、方向転換、接触への対応、反復して高強度運動を行う能力などを同時に求められます。競泳でも50mと1500mでは重点が異なるでしょう。

だからこそ、「準備期だから全員同じ筋トレ」という考え方ではなく、その競技で不足している能力をどの時期に優先するのかを決める必要があります。

ピークの作り方も異なる

年間の最重要大会が1〜2回なら、その大会へ向けて練習量を徐々に減らしながらコンディションを高める方法を使いやすくなります。

ところがリーグ戦では、数か月間ずっとピーク状態を維持することは現実的ではありません。その場合は「最高状態を一度作る」というより、必要な能力を落とし過ぎず、疲労もため過ぎない状態を長期間保つ考え方へ変わります。

競技 主な体力要素 試合の特徴 期分けの重点
陸上短距離 スピード・筋力・パワー 重点大会を選びやすい 大会へ向け量から質へ移行
野球 筋力・パワー・スプリント 長期間試合が続く オフで高め試合期に維持
競泳 泳速度・持久力・パワー 複数大会を設定しやすい 泳量とレース速度を変化
ロードバイク 有酸素能力・持久力・出力 目標レースを選択 基礎から競技強度へ移行
球技 筋力・速度・反復能力 毎週試合がある 週内で疲労と刺激を調整

共通する基本の枠組み

競技によって中身は変わりますが、年間計画を考える基本構造には共通点があります。まず大きな年間計画を作り、その中を数週間単位へ分け、最後に1週間の練習へ落とし込んでいきます。

年間から1週間へ落とす

年間やシーズン全体を見るマクロサイクル、その中を数週間から数か月程度へ分けるメゾサイクル、さらに1週間前後へ落としたミクロサイクルという考え方があります。

この3段階を使うと、「今年はこの大会へ合わせる」「この6週間は最大筋力を高める」「今週は土曜日が試合なので火曜日へ負荷を置く」と、大きな計画から現場の練習までつなげやすくなります。

マクロ・メゾ・ミクロの違いについては、ピリオダイゼーションのサイクルと年間計画でも詳しく解説しています。

モデルを先に決めない

線形、非線形、ブロックなど、ピリオダイゼーションには複数の考え方があります。ただ、最初に「今年はブロック型」と決める必要はありません。

大会まで数か月あり、段階的に能力を移していけるなら線形的な変化が使いやすいでしょう。一方、毎週試合がある球技なら、1週間の中で負荷を上下させる非線形的な考え方が便利です。

モデルの特徴については、線形・非線形・ブロックの違いも参考にしてください。

選手の競技日程と状態を確認しながらピリオダイゼーション計画を見直す日本人コーチ
年間計画は作って終わりではなく、試合日程や選手の状態に応じて見直します

陸上競技の期分け

陸上競技のピリオダイゼーションは種目による違いが大きいため、「陸上」という一括りにはできません。特に100mなどの短距離と長距離では、優先する能力がかなり異なります。

短距離は速度を高める

陸上短距離では、基礎的な身体能力を作ったあと、最大筋力、パワー、加速、最高速度などへ徐々に重点を移していく考え方があります。

準備期ではウェイトトレーニングの量や基礎的な走トレーニングを確保し、その後は競技速度に近い刺激の割合を増やしていきます。大会へ近づけば、疲労につながるトレーニング量を減らしながら、高速度の走動作を保つことが重要です。

実際にエリートスプリンターを追跡した研究でも、高ボリュームのランニングやウェイトトレーニングを行った期間では走速度が一時的に低下し、その後、低ボリュームの筋力トレーニングと高強度スプリントへ移った期間に速度が高まる変化が報告されています。

(出典:International Journal of Sports Physiology and Performance「Sprint Running Performance and Technique Changes in Athletes During Periodized Training」)

陸上短距離のピリオダイゼーションでスプリントトレーニングを行う男性アスリート
短距離では大会へ近づくほど高速度での競技特異的な刺激が重要になります

中長距離は持久力も見る

800m以上になると、スピードだけでなく有酸素能力や高い速度を維持する能力の比重が増えていきます。

準備期では比較的多くの走行量を確保しながら基礎を作り、その後、テンポ走、インターバル、レースペースなどの割合を増やす流れが考えられます。大会直前は量を減らしつつ、競技速度から離れ過ぎないようにします。

つまり同じ「ピリオダイゼーション 陸上」で検索していても、短距離と中長距離では年間計画の中身を分けて考えた方が実践的です。

野球のピリオダイゼーション

野球はピリオダイゼーションの考え方が分かりやすく表れる競技です。オフシーズンでは身体能力を高める時間がありますが、シーズンに入れば試合や投球、守備、打撃練習そのものが大きな負荷になります。

オフに能力を高める

野球ではオフシーズンに筋量や最大筋力の向上へ取り組み、その後、パワー、スプリント、方向転換、投球や打撃につながる競技動作へ移行していく方法が考えられます。

ここで大切なのは、筋量を増やすこと自体を最終目的にしないことです。野球選手に必要なのは、増やした筋力を走塁、投球、打撃などで使える状態へつなげること。

筋力トレーニングそのものの期分けは、筋トレのピリオダイゼーションで詳しく紹介しています。

ストレングス&コンディショニングの専門書を併用すると、競技練習と筋力・パワートレーニングをつなげて考える際の参考にもなります。

プロ野球は維持が重要

プロ野球のピリオダイゼーションでは、シーズン中に何週間も筋力向上だけへ集中する期間を作ることは簡単ではありません。

試合頻度が高いため、オフやプレシーズンで高めた筋力やパワーをできるだけ維持しながら、試合で使える状態を保つことが優先されます。

そのためシーズン中はトレーニングの量を抑え、必要な刺激は残すという考え方が中心になります。特に投手の場合は登板間隔や投球数、野手なら出場時間なども含めて判断する必要があります。

高校野球は大会から逆算する

高校野球のピリオダイゼーションでは、プロ野球とは日程が異なります。春季大会、夏の大会、秋季大会など、学校ごとの競技予定から重点大会を決めることがスタートです。

冬場に比較的まとまった準備期間を確保できる場合は、身体作りや基礎筋力へ時間を使いやすくなります。大会が近づけば、実戦練習、走塁、守備、投球などの比重が高まるため、筋力トレーニングの総量をそのまま残す必要はありません。

高校生では成長段階やトレーニング経験にも差があります。大人の野球選手の年間計画を、そのまま高校野球へ当てはめないことも大切です。

◆バラのワンポイントアドバイス
野球では「オフだから筋肥大」「春だからパワー」と月だけで区切らないようにしています。投球量や実戦練習が増えれば、それだけでも身体への負荷は変わるからです。ウェイトだけでなく、競技練習まで含めて一つの計画として見てください。

競泳のピリオダイゼーション

ピリオダイゼーションを水泳へ使う場合は、筋トレ以上に泳ぐ距離、泳速度、セット内容の変化が重要になります。

泳量からレース速度へ移す

競泳では準備期間に一定の泳量を確保し、技術や有酸素能力などを高めながら、徐々にレースに近い速度のトレーニングへ比重を移していく方法があります。

短距離種目なら速度とパワーの比重が高くなり、長距離種目なら持久的なトレーニング量も重要です。そのため「ピリオダイゼーション 水泳」といっても、50m選手と1500m選手では同じメニューにはなりません。

競泳ではテーパーが重要

競泳のピリオダイゼーションで特徴的なのが、大会前のテーパーです。大会直前まで泳量を増やし続けるのではなく、積み上げた能力を保ちながら疲労を減らします。

ただし、テーパーは「何もしない期間」ではありません。総量を減らしても、レースで必要になる速度感まで完全に失わないように調整します。

年間に複数の重要大会があるなら、すべてへ同じ大きさのピークを作るのではなく、最重要大会と準重要大会を分ける考え方も必要でしょう。

テーパー期間や泳量の減らし方に全員共通の数字はありません。種目、年齢、普段の練習量、疲労状態によって調整してください。

持久系競技の期分け

ロードバイクやマラソンなどの持久系競技では、「どれだけ長く運動するか」だけでなく、低強度と高強度の割合をどの時期に変えるかがポイントになります。

ロードバイクは出力を変える

ピリオダイゼーションをロードバイクへ使う場合、準備期では比較的低い強度で多くの運動量を確保し、有酸素能力の土台を作る方法があります。

そこから目標レースへ近づくにつれて、テンポ、閾値付近、高強度インターバル、レースで求められる出力などへ比重を移していきます。

ロードレースでは長時間走行だけでなく、登坂、アタック、スプリントなどもあります。コースによって求められる能力が異なるため、目標レースの特徴まで確認して計画することが大切です。

持久系選手でも筋力トレーニングを完全に外すとは限りません。準備期に高めた筋力をシーズン中に少ない量で維持する方法も選択肢になります。

マラソンはレースから逆算

ピリオダイゼーションをマラソンへ取り入れる場合は、目標レースの日付から逆算すると分かりやすくなります。

前半では無理なく走行量を増やして土台を作り、その後、テンポ走や閾値付近のトレーニング、さらにマラソンペースへ近い長距離走などを組み込みます。

レース直前は、それまでと同じ走行距離を維持することより、疲労を減らしながら走る感覚を保つことが優先されます。

持久系トレーニングやピリオダイゼーションを扱う専門書を使う場合も、掲載された週間メニューをそのまま写すのではなく、自分の走歴や大会日程に合わせて調整してください。

球技のピリオダイゼーション

バスケ、ラグビー、バレーボールなどの球技では、年間の期分けだけでなく1週間単位の負荷配置が非常に重要になります。

毎週試合がある競技では、筋力だけを数週間集中して高めることが難しいためです。

バスケは週内で負荷を変える

ピリオダイゼーションをバスケへ使うなら、試合日を基準に1週間を考えます。

例えば土曜日が試合なら、試合直後は回復を優先し、その後に筋力や高強度の刺激を配置します。試合前日は大きな疲労を残すトレーニングを避け、コンディションを整えます。

ジャンプ、スプリント、方向転換が多い競技なので、ウェイトトレーニングだけでなく、コート練習による脚への負荷も合わせて見る必要があります。

球技のピリオダイゼーションでボックスジャンプによるパワートレーニングを行う日本人アスリート
球技では筋力だけでなくジャンプやスプリントにつながるパワーも計画します

ラグビーは接触負荷も考える

ラグビーのピリオダイゼーションでは、走行距離やウェイトトレーニングだけでなく、コンタクトによる負荷も見逃せません。

試合翌日に筋肉痛や打撲が強く残ることもあるため、曜日だけで「今日は高重量」と固定してしまうと、選手の状態と合わなくなる場合があります。

プレシーズンでは筋力、パワー、スプリント能力などを高め、試合期ではそれらを維持しながら競技練習と試合からの回復を優先する考え方が基本になります。

球技のシーズン中に筋力刺激を残す意味を考える参考として、プロサッカー選手を対象とした研究では、プレシーズン後に週1回の筋力維持トレーニングを行った選手で筋力やスプリント能力が維持されたと報告されています。

(出典:Journal of Strength and Conditioning Research「Effects of in-season strength maintenance training frequency in professional soccer players」)

バレーボールは跳躍量を見る

ピリオダイゼーションをバレーボールへ使う場合は、ジャンプ系トレーニングだけでなく、競技練習中の跳躍量まで考慮したいところです。

ジャンプ力向上を狙ってプライオメトリクスを増やしても、その週にスパイクやブロック練習が大量に入っていれば、下肢への負荷が重なる可能性があります。

つまり、トレーニングメニュー上のセット数だけで負荷を判断せず、競技練習の内容まで含めて調整します。

テニスは大会日程を見る

ピリオダイゼーションをテニスへ使う場合も、球技的な俊敏性と個人競技としての大会日程という両方の特徴があります。

試合では短い高強度動作を繰り返しながら長時間プレーすることもあるため、スピード、方向転換、筋力、持久力を一つだけ切り離して考えることはできません。

大会が連続する時期には大幅な体力向上を狙うより、能力維持と疲労回復へ比重を移し、大会が少ない期間に身体能力向上の時間を確保する方法が現実的です。

クライミングの期分け

ピリオダイゼーションをクライミングへ使う場合は、一般的な球技とは違い、指や前腕の筋力・筋持久力、全身の動作、課題を読む技術などを考えます。

指への負荷を段階化する

クライミングでは、ハングボードや高難度課題などによる指への負荷を毎回最大にするのではなく、基礎的な登り込み、最大筋力、高強度課題、大会前の調整といった流れを作る方法があります。

特に指や前腕は競技練習そのものでも高い負荷を受けるため、追加トレーニングを単純に増やせばよいわけではありません。

大会期へ近づけば、自分が出場する種目や大会形式へ近い課題へ重点を移し、余分な疲労を残さないよう総量を調整します。

年間計画を作る手順

ここまで競技ごとの違いを紹介しましたが、実際に計画へ落とすときは共通した順番があります。

重点大会を最初に決める

最初に年間カレンダーへ大会を書き込みます。その中で、最もパフォーマンスを合わせたい大会を決めてください。

すべての試合へ同じピークを作ろうとすると、年間を通して負荷を下げ続けることにもなりかねません。「必ず結果を狙う大会」「通常の試合」「準備の一部として使う大会」のように優先順位を付けると計画しやすくなります。

ピリオダイゼーションそのものの年間計画については、アスリートの年間計画の作り方も合わせて確認してください。

必要な能力を決める

次に、その競技で結果を出すために必要な体力要素を考えます。

短距離なら最大速度、加速、パワー。ロードバイクなら有酸素能力やレース中に必要な出力。バスケならスプリント、ジャンプ、方向転換を繰り返す能力などです。

全部を同時に最大まで伸ばそうとせず、現在の選手にとって何を優先するのかを決めます。

競技練習も負荷に含める

フィジカルトレーナーとして特に大切にしたい部分です。

スクワットを何セット行ったかだけを記録しても、選手の総負荷は分かりません。その日にダッシュを何本行ったのか、コンタクト練習を行ったのか、何km泳いだのか、試合へ何分出場したのかまで含めて考えます。

筋力トレーニングだけ完璧に期分けされていても、競技練習と負荷が重なれば計画通りには進みません。

記録して計画を修正する

ピリオダイゼーションは、1月に年間表を作って12月まで守り続ける方法ではありません。

体力測定、トレーニング重量、ジャンプ、スプリント、練習量、選手の主観的な疲労などを確認しながら修正していきます。

競技別ピリオダイゼーションでトレーニング記録を確認する日本人アスリートとコーチ
記録を残すことで計画と実際の反応のずれを確認し、次のサイクルへ反映できます

◆バラのワンポイントアドバイス

私が年間計画を見るときも、「予定通りできたか」だけでは判断しません。選手が予定以上に疲れているなら負荷を下げますし、余裕があるなら次の段階へ進めることもあります。計画表より選手の反応を優先することが大切ですよ。

競技別で避けたい考え方

競技別ピリオダイゼーションでは、きれいな年間表を作ることより、現場で使える計画にすることが重要です。

同じ年間表を使い回さない

「1〜3月は筋肥大、4〜6月は筋力、7月はパワー」といった表を作り、そのまま全競技へ当てはめるのは避けたいところです。

陸上短距離とプロ野球では試合頻度が違い、競泳とマラソンでは競技時間も違います。

共通の枠組みを使うこと自体に問題はありません。ただし、各期間で何を優先するのかは競技ごとに変える必要があります。

全試合へピークを作らない

年間に多くの大会がある選手ほど、すべてへ完璧なピークを作ることは難しくなります。

特に球技では「毎週ピーキングする」というより、年間を通じて必要なパフォーマンスを維持しながら、重要試合へ向けて短期間の調整を加える考え方の方が現実的でしょう。

数字だけで固定しない

「準備期は8週間」「テーパーは2週間」「筋トレは週2回」といった数字は、あくまで一般的な目安です。

競技レベル、年齢、練習歴、試合日程、現在の疲労などによって変わります。数値を守ることよりも、なぜその負荷を置いているのかを説明できる計画にしてください。

トレーニングの実施に不安がある場合や、既往歴、痛みなどがある場合は、自己判断だけで進めず、必要に応じて医療従事者や専門のトレーニング指導者へ相談してください。

よくある質問

競技別のピリオダイゼーションについて、よく聞かれる疑問をまとめます。

競技別ピリオダイゼーションFAQ

Q1. 競技ごとに年間計画は変えるべきですか?

A. はい。準備期、試合期、移行期という枠組みは共通して使えますが、重点を置く能力や期間、ピークを作る回数は競技日程によって変えます。競技名だけを変えて同じ年間表を使うことはおすすめしません。

Q2. 球技でも筋力期を作った方がいいですか?

A. 筋力向上へ重点を置く期間を設けることはできます。ただし、シーズン中は試合や競技練習の負荷が大きいため、筋力だけへ集中する長い期間を作りにくくなります。プレシーズンで高め、試合期には少ない量で維持する方法も考えられます。

Q3. 競泳とマラソンの期分けは同じですか?

A. どちらも持久的な要素を持ちますが同じではありません。競泳では泳距離、泳速度、技術、レース種目を踏まえます。マラソンでは走行量、テンポ走、レースペース、長距離走などを組み合わせます。それぞれ競技特異的な負荷へ置き換える必要があります。

Q4. ピークは年間に何回作れますか?

A. 全選手に共通する回数はありません。大会数、競技形式、準備期間によって変わります。重要なのは、すべての大会を同じ優先度にせず、どの大会へ最も状態を合わせるのかを決めることです。

Q5. 年間計画は途中で変えてもいいですか?

A. むしろ必要に応じて変更してください。大会日程、出場時間、疲労、体力測定、トレーニングの進み具合は予定通りにならないことがあります。最初の計画へ無理に選手を合わせるのではなく、選手の状態を確認しながら負荷を調整します。

競技別の期分けまとめ

競技別ピリオダイゼーションで最も大切なのは、競技名ではなく、競技特性と試合日程から逆算して年間計画を作ることです。

  • 陸上短距離は大会へ向けスピードとパワーの質を高める
  • 野球はオフで能力を高め、長い試合期では維持と回復を重視する
  • 競泳は泳量とレース速度を変化させ、大会前にテーパーを行う
  • ロードバイクやマラソンは持久力の土台から競技特異的な強度へ移す
  • バスケ・ラグビー・バレーボールなどは試合を中心に週内負荷を動かす
  • テニスやクライミングも大会形式と競技特有の負荷から計画する

ピリオダイゼーションは、きれいな年間表を作るためのものではありません。「いつ、どの能力を最も高めるのか」を明確にし、そのためにトレーニングと回復を配置する方法です。

そして現場では、競技練習、試合、疲労、選手の成長まで含めて何度も修正していきます。

同じ選手でも昨年と今年で日程や課題が変われば、年間計画も変わって当然です。そこまで含めて考えることが、フィジカルトレーナーに求められるピリオダイゼーションだと私は考えています。

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