広告 種目・部位別

ヒップヒンジのやり方実践編|RDLとグッドモーニング比較

こんにちは、アスリートの知恵袋のバラです。

スクワットやデッドリフトを教えていると、最初につまずきやすい動作の一つがヒップヒンジです。上半身を前へ倒そうとすると腰が丸まる、お尻を後ろへ引こうとするとスクワットのように膝が曲がる。見た目は簡単でも、実際にやってみるとなかなか難しい動きなんですよ。

私が選手へヒンジ系種目を指導するときは、いきなり重量を持たせません。まず「股関節を後ろへ引きながら、脊柱と骨盤の位置を保てるか」を確認します。その動作ができてからRDLやグッドモーニングへ進み、選手に必要な身体能力に合わせて負荷を増やします。

ヒップヒンジは、腰を丸めて屈む動作ではなく、股関節を後ろへ引く動作です。この違いが分かるだけでも、RDLやデッドリフトのフォームはかなり理解しやすくなります。

この記事ではヒップヒンジの覚え方から、RDLとグッドモーニングの実践方法、両種目をどう使い分けるのかまで、フィジカルコーチとして私が現場で見ているポイントを中心に解説します。

ポイント

  • ヒップヒンジと腰を曲げる動作の違い

  • RDLを正しく行うためのフォーム

  • グッドモーニングの特徴と注意点

  • 目的に合わせたヒンジ種目の選び方

ヒップヒンジとは何か

ヒンジとは蝶番のように、一つの部分を支点として開閉する動きを指します。筋トレにおけるヒップヒンジでは、その支点になるのが股関節です。

腰を大きく曲げて上体を倒すのではなく、股関節を曲げながらお尻を後ろへ移動させます。RDL、デッドリフト、グッドモーニングなどに共通する基本動作なので、種目を覚える前に身につけておきたい身体の使い方です。

腰を曲げる動きとの違い

ヒップヒンジがうまくいかない選手で多いのが、上半身を前へ倒そうとして腰椎から曲げてしまうパターンです。

横から見ると上体そのものは前傾しているため、一見するとヒンジができているようにも見えます。しかし股関節の動きが小さく、背中だけが丸くなっているのであれば、狙っている動作とは違います。

ヒップヒンジでは、膝を軽く曲げた状態からお尻を後方へ引くことで股関節を曲げます。その結果として上半身が前傾する、と考えると分かりやすいですよ。

私は「胸を床へ近づけて」と指示するより、「後ろにある壁へお尻をタッチして」と伝えることが多いです。上半身ではなく骨盤の移動に意識を向けられるからです。

スクワットとの違い

スクワットとヒップヒンジはどちらも股関節と膝を使いますが、動きの比率が異なります。

スクワットでは股関節だけでなく膝関節も大きく曲がり、身体の重心を上下へ移動させます。一方、RDLなどのヒンジ種目では膝の角度変化を比較的小さくして、股関節を前後へ動かします。

比較 ヒップヒンジ スクワット
主な動き 股関節の屈曲と伸展 股関節と膝関節の屈曲と伸展
お尻の移動 後方へ大きく移動 後方と下方へ移動
軽く曲げて角度を保つ 動作に合わせて大きく曲がる
代表種目 RDL、グッドモーニング バックスクワット、ゴブレットスクワット

どちらが優れているという話ではありません。競技ではしゃがむ、走る、跳ぶ、止まるなど複数の動きが必要ですから、必要な能力に合わせて使い分けます。

競技動作とのつながり

スポーツ選手にヒップヒンジを覚えてもらう理由は、RDLを上手にするためだけではありません。

加速するときに身体を前傾させる、減速するときに重心を落とす、相手との接触に備える。こうした場面では、体幹の位置を保ちながら股関節で力を受けたり、地面へ力を伝えたりする能力が必要になります。

だから私は「ヒップヒンジができれば足が速くなる」と単純には考えません。ヒップヒンジは、股関節を使って力を出すための基本動作の一つです。その基本をRDLなどで反復し、競技練習やスプリント、ジャンプへつなげていきます。

◆バラのワンポイントアドバイス
筋トレの種目名だけを覚えるのではなく、「この動作を競技のどこで使うのか」まで考えてみてください。競技動作から逆算すると、なぜヒップヒンジを練習するのかが分かりやすくなりますよ。

ヒップヒンジのやり方

壁にお尻を近づけながらヒップヒンジを練習する女性
壁にお尻を近づけながらヒップヒンジを練習する女性

ヒップヒンジを初めて練習する段階では、バーベルは必要ありません。まず自分の身体だけで股関節を後ろへ引く感覚を覚えます。

その後に棒、チューブ、ダンベル、バーベルというように負荷や条件を変えていけば、フォームを確認しながら段階的に進められます。

壁タッチで動きを覚える

最初に試してほしいのが壁タッチです。壁へ背中を向け、かかとから20〜30cmほど離れて立ちます。距離は体格によって変わるので、あくまで一般的な目安として考えてください。

足は腰幅程度に開き、膝を軽く曲げます。その姿勢から、後ろの壁へお尻を近づけていきましょう。

ポイントは「しゃがんで壁へ近づく」のではなく、お尻そのものを後方へスライドさせる感覚です。お尻が壁へ触れたら股関節を伸ばして元の姿勢へ戻ります。

簡単に壁へ届くようになったら、壁との距離を少しずつ広げます。距離を欲張って背中が丸くなるなら、一度近い位置へ戻してください。

棒で背骨を確認する

次におすすめしたいのが、棒を背中へ沿わせる練習です。

棒を背中に当ててヒップヒンジの正しいフォームをコーチから指導される男性
棒を背中に当ててヒップヒンジの正しいフォームをコーチから指導される男性

棒を後頭部、背中、仙骨付近へ当て、その接触をできるだけ保ったままヒップヒンジを行います。腰が丸くなると棒との接触位置が変わるため、自分でもフォームの変化に気づきやすくなります。

反対に「背筋を伸ばそう」と意識しすぎて腰を大きく反る必要もありません。狙いたいのは過度な屈曲でも過度な伸展でもなく、自分にとって自然な脊柱の位置を保ちながら股関節を動かすことです。

膝と足幅を決める

ヒップヒンジでは膝を完全に伸ばし切る必要はありません。軽く曲げ、その角度を大きく変えずに股関節を後ろへ引きます。

膝がどんどん前へ出ていくとスクワットに近い動作になります。一方、膝を意識して伸ばしすぎるとハムストリングスの可動域に制限され、骨盤が動かなくなったところから腰を丸めやすくなります。

足幅は腰幅前後から始めると確認しやすいでしょう。ただし骨格や可動域には個人差があります。つま先を完全に正面へそろえることにもこだわらず、足裏全体で床を捉えやすい位置を探してください。

深さは可動域で決める

「上半身を床と平行まで倒す」「バーを必ず床まで下ろす」といった高さだけでフォームを決めるのはおすすめしません。

ヒンジの深さを決めるのは、ハムストリングスの伸び具合、股関節の可動域、体幹を保持できる範囲です。

お尻を後ろへ引いていくと、太ももの裏側が伸ばされていきます。その状態からさらに下げようとして骨盤の動きが止まり、腰が丸まり始めるなら、そこより少し手前を現在の可動域と考えます。

ヒンジの深さは「どこまで下げたか」ではなく「姿勢を保ったまま股関節をどこまで曲げられたか」で判断します。

RDLのやり方

ヒップヒンジを負荷トレーニングへ発展させるとき、私がよく使う種目がRDL、ルーマニアンデッドリフトです。

通常のデッドリフトのように毎回床から持ち上げるのではなく、立位から股関節を後ろへ引いてバーを下ろし、ハムストリングスや臀部へ張力がかかった位置から立ち上がります。

RDLで狙う筋肉

RDLでは主に大臀筋、ハムストリングスなど股関節伸展に関わる筋群を使います。同時に、バーベルの重さに対して体幹の位置を保つため、脊柱周囲の筋群も働きます。

デッドリフトには複数のバリエーションがあり、関節の動きや筋活動は同じではありません。RDLと通常のデッドリフトを比較した研究でも、種目によって股関節・膝関節周辺の要求が異なることが報告されています。

そのため「デッドリフト系なら全部同じ」と扱わず、目的に合わせて選ぶことが大切です。(出典:PubMed「An electromyographic and kinetic comparison of conventional and Romanian deadlifts」

通常のデッドリフトについては、BIG3だけで鍛えた体は?メリットと不足しやすい部位を解説でも紹介しています。

バーベルRDLの手順

バーベルRDLでは、まずラックなどからバーベルを持って立ちます。足幅は腰幅前後、手幅は脚に当たらない程度にします。

息を吸って腹部へ圧をかけ、脊柱と骨盤の位置を保ちます。そこから膝を軽く曲げ、お尻を後方へ引いてください。

バーは身体から遠ざけず、太ももからすねの近くを通します。バーを床へ下ろそうとするのではなく、「お尻を後ろへ動かした結果としてバーが下がっていく」と考える方がヒップヒンジを作りやすいでしょう。

ハムストリングスの伸びを感じ、これ以上下げると腰の位置が変わりそうなところで切り返します。戻るときは股関節を前へ戻しながら立ち上がります。

最後に腰を反ってバーを持ち上げる必要はありません。膝、股関節、上半身が自然に立位へ戻れば十分です。

ダンベルRDLの手順

バーベルをまだ扱ったことがない人なら、軽量ダンベルを使ったRDLから始める方法もあります。

両手にダンベルを持ち、太ももの横または前に構えます。あとはバーベルと同じように、膝を軽く曲げたままお尻を後方へ引きます。

ダンベルは重量を小さく設定しやすいため、筋力を追い込むよりフォームを反復したい段階でも使いやすい器具です。

高校生がダンベルRDLで股関節主導のヒップヒンジを練習する様子
高校生がダンベルRDLでヒップヒンジを使い下半身をトレーニングする様子

中高生や筋トレ初心者を指導するときも、「バーベルを使えること」をゴールにする必要はありません。まず狙った動作を再現できることを優先します。

片脚RDLの使い方

両脚RDLで腰から曲がってしまう選手に、片脚RDLを使うこともあります。

片脚を後ろへ伸ばしながら上体を前へ倒すと、支持脚側の股関節を中心とした動きを感じやすくなる場合があるからです。

ただし片脚RDLではバランスという別の課題が加わります。ふらつきが大きくなり、ヒップヒンジそのものへ集中できないのであれば、ラックや壁へ片手を添えて構いません。

「片脚種目だから上級者」「両脚種目だから初心者」と固定するのではなく、何を覚えさせたいかによって順番を変えます。

◆バラのワンポイントアドバイス
自分では背中を保っているつもりでも、横から見ると腰が丸まっていることがあります。そんなときはフォーム撮影用のスマホ三脚で真横から撮影すると、感覚と実際の動作を比べやすくなります。

グッドモーニングのやり方

グッドモーニングもヒップヒンジを使う代表的な種目です。スクワットのようにバーベルを背中側で担ぎ、その状態から股関節を後ろへ引きます。

RDLと見た目は似ていますが、重量を保持する位置が異なるため、身体への要求も同じではありません。

基本フォーム

バーベルグッドモーニングでヒップヒンジのフォームを確認する男性とコーチ
バーベルグッドモーニングでヒップヒンジのフォームを確認する男性とコーチ

バーベルを安定する位置へ担ぎ、足を腰幅から肩幅程度に開きます。膝を軽く曲げ、腹圧を作ってからお尻を後方へ引きましょう。

上体が前傾しても、腰だけを丸めないようにします。ハムストリングスへ張りを感じ、脊柱の位置を保てる範囲で切り返してください。

立ち上がるときは身体を勢いよく起こすのではなく、股関節を伸ばして立位へ戻ります。

バーベルが背中側にあるため、失敗したときに手から簡単に離せるRDLとは条件が違います。セーフティーを設定できるラックで実施するなど、環境にも配慮してください。

軽負荷から始める理由

グッドモーニングは、最初から重たいバーベルを使う必要はありません。

重量が増えるほど、ハムストリングスや脊柱周囲の筋活動だけでなく、フォームを維持するための要求も高まります。グッドモーニングを異なる負荷で比較した研究でも、負荷増加に伴ってハムストリングスや脊柱起立筋の筋活動が増える傾向が報告されています。

一方で、研究結果だけを見て「重いほど良い」と考えるべきではありません。トレーニングでは目的と技術レベルを合わせる必要があります。(出典:PubMed「Effects of load on good morning kinematics and EMG activity」

まず棒や空のバーなどで動作を確認し、同じフォームを再現できる範囲で少しずつ負荷を加えていく方法が使いやすいでしょう。

体幹保持が難しい理由

グッドモーニングとRDLの大きな違いの一つが、負荷を保持する位置です。

RDLではバーベルを両手で持ち、できるだけ脚の近くを通します。グッドモーニングではバーベルを背中側で担いだ状態で上体そのものが前傾します。

そのため、同じヒップヒンジでも体幹の姿勢を維持する感覚が異なります。私はグッドモーニングを「RDLより上の種目」とは考えていません。体幹保持を含めた別の課題を与えたいときの選択肢です。

腰に痛み、脚へのしびれ、動作中の鋭い痛みなどがある場合は、フォームを工夫して続けるのではなく一度運動を中止してください。最終的な判断は医師、理学療法士、柔道整復師など身体を評価できる専門家へ相談することをおすすめします。

RDLとグッドモーニング比較

どちらもヒップヒンジを使い、大臀筋、ハムストリングス、脊柱周囲などを使う種目です。しかし「似ているからどちらでもいい」わけではありません。

選ぶときは、鍛えたい筋肉だけでなく、負荷の保持位置、体幹保持の難度、本人のトレーニング経験まで考えます。

負荷位置の違い

RDLではバーベルを手で保持し、脚の近くを上下させます。一方、グッドモーニングではバーベルが上半身側に固定された状態で前傾します。

この違いにより、同じように股関節を後ろへ引いても身体にかかるモーメントは変わります。

だからこそ、私はRDLのフォームをそのままグッドモーニングへ当てはめるのではなく、それぞれ別のエクササイズとして指導しています。

重量の扱いやすさ

ヒップヒンジの筋力向上を狙いながら負荷を段階的に増やすなら、私はRDLを中心に使うことが多いです。

バーベルを手で保持するRDLでは、可動域を小さくしたり、ダンベルへ変更したり、重量を減らしたりと調整しやすいためです。

グッドモーニングではバーベルを背中に担いだまま上体を前傾させるため、負荷を増やすほど体幹保持を含めた技術が求められます。

ただし「RDLなら重くても安全」という意味ではありません。どちらの種目でもフォームが変わる重量まで増やす必要はないですよ。

目的別の使い分け

目的や状況 選択しやすい種目 考え方
ヒンジを初めて覚える 自重・壁タッチ 負荷より股関節の動きを優先
負荷を加えて覚える ダンベルRDL 重量を細かく調整しやすい
臀部・ハムへ負荷を加える RDL バーを身体の近くで管理する
体幹保持も課題にする グッドモーニング まず軽負荷で技術を確認する
左右差や片脚支持も見る 片脚RDL 必要なら手で支持して行う

RDLかグッドモーニングかを先に決めるのではなく、改善したい動作や身体能力から種目を決める。これが私の基本的な考え方です。

よくあるエラーと修正

ヒップヒンジは単純な前後運動に見えますが、腰、膝、股関節、足部をそれぞれ適切に使う必要があります。

重量を増やす前に、次のようなフォームが出ていないか確認してみてください。

背中が丸まる

最も分かりやすいエラーは、股関節を曲げる代わりに腰から丸まる動きです。

この場合は重量を減らし、壁タッチや棒を使ったヒップヒンジへ戻ります。「胸を張って」と伝えるだけで直そうとすると腰を反る方向へ変わることがあるため、お尻を後ろへ引く動作そのものを再確認してください。

RDLでバーを低く下ろすことへこだわっている場合は、可動域も見直します。すねの途中までしか下がらなくても、適切なヒンジができているなら問題ありません。

膝が前へ出すぎる

お尻を後ろへ引けず、膝を曲げながら身体を下げるとスクワットに近いフォームになります。

壁タッチで「膝を曲げて下へ」ではなく「お尻を後ろへ」という方向を覚えましょう。

膝は固定してまったく動かさないのではなく、軽く曲げた状態を大きく変えない程度で十分です。

バーが身体から離れる

RDLでバーベルが脚から前へ離れると、バーベルと身体との距離が大きくなります。

バーを腕で引き寄せるというより、肩からぶら下がったバーを太ももやすねの近くへ通すイメージを持ってください。

バーが前へ流れる場合は、お尻を後ろへ引く動きが途中で止まり、上半身だけを前へ倒していることがあります。バーだけでなく骨盤の位置も確認しましょう。

腰を反って立ち上がる

RDLやグッドモーニングのトップで「お尻を締める」ことを意識するあまり、股関節を通り越して腰を後ろへ反ってしまう人がいます。

立位では、お尻を前へ突き出す必要はありません。股関節と膝が自然に伸び、身体が真っすぐ立ったところで終了です。

動画を撮る場合は真横から確認すると、トップで肋骨が前へ開いて腰だけ反っていないか分かりやすくなります。

アスリートへの実践導入

ここまで種目のやり方を説明してきましたが、フィジカルコーチとして私が最も大切にしているのは「どの種目が一番効くか」を探すことではありません。

競技で必要な動作を考え、その選手が現在どこでつまずいているのかを見つけ、必要な身体能力を高めるためにエクササイズを選びます。

種目より課題から考える

例えば加速で地面を後方へ押す力を高めたい選手がいるとします。

まず競技動作を確認し、股関節伸展の力発揮が不足しているのか、姿勢を維持できないのか、そもそも股関節を適切に曲げられないのかを見ます。

股関節を使う感覚がまだ十分でなければ壁タッチ。軽い負荷で反復したければダンベルRDL。股関節伸展により大きな負荷を加えたいならバーベルRDL。体幹保持を含めた別の課題を与えたいならグッドモーニングというように進めます。

ここで順番を逆にして「グッドモーニングをやりたいから選手にやらせる」とは考えません。

◆バラのワンポイントアドバイス
私が実際の指導で大切にしているのは、「この種目をやらせたい」ではなく「この選手の何を改善したいのか」から考えることです。種目は目的ではなく、課題へアプローチするための手段ですよ。

負荷を上げる順番

ヒンジ系種目は、自重でできたらすぐ高重量へ移る必要はありません。

私なら、自重でヒンジを確認し、棒や壁で姿勢を確認してから、ダンベルや軽いバーベルへ進みます。その後もフォームが安定している範囲で負荷を増やします。

一般的な開始例としては、フォーム練習なら8〜10回程度を2〜3セットほど行い、余裕を残した負荷から始める方法があります。ただし回数や重量は年齢、トレーニング歴、競技練習量によって変わるため固定された基準ではありません。

前回できた重量より増やせたかだけでなく、同じ姿勢を再現できたか、狙った場所へ負荷を感じられたか、翌日の競技練習に影響していないかまで見ます。

補助運動として股関節周囲を動かしたい場合には、ミニバンドを使った軽いウォームアップを組み合わせる方法もあります。ただしバンドを使うこと自体が目的にならないようにしましょう。

週間メニューへの入れ方

RDLやグッドモーニングを週何回行うかは、その種目だけで決めません。

スクワット、ジャンプ、ダッシュ、競技練習、試合なども下半身へ負荷を与えるからです。

例えば週2回の筋トレなら、一方の日にスクワット系、もう一方の日にRDLなどヒンジ系を中心にする方法があります。週3回なら種目を小分けし、1回あたりの量を減らす方法も使えます。

具体的な一週間の組み方については、筋トレ1週間メニュー|部活と両立する全身の組み方でも詳しく解説しています。

競技練習でスプリントやジャンプが多かった週に、予定表どおりRDLを追い込む必要はありません。疲労、フォーム、競技スケジュールを見ながら、その日の重量やセット数を変更してください。

器具を購入する場合は、耐荷重、サイズ、使用環境、安全上の注意などをメーカー公式サイトで確認してください。特にバーベル種目ではラックやセーフティーを含めたトレーニング環境も重要です。

ヒップヒンジの疑問を解決

最後に、RDLやグッドモーニングを始めるときによく出てくる疑問へ回答します。

ヒップヒンジのよくある質問(FAQ)

Q1. ヒップヒンジとは筋トレでどんな動作ですか?

A. ヒップヒンジとは、腰を丸めて上体を倒すのではなく、股関節を支点としてお尻を後方へ引きながら上体を前傾させる動作です。RDL、デッドリフト、グッドモーニングなどの基本になります。最初は重量を使わず、壁タッチなどで股関節の動きを覚える方法がおすすめです。

Q2. RDLではバーベルを床まで下ろしますか?

A. 必ず床まで下ろす必要はありません。ハムストリングスの柔軟性や股関節の可動域には個人差があります。背中と骨盤の位置を保ちながら股関節を曲げられる範囲まで下ろし、腰が丸まり始める前に切り返してください。

Q3. グッドモーニングは腰に悪いですか?

A. グッドモーニングだから必ず腰を痛めるとは言えません。ただしバーベルを背中に担いだまま上体を前傾させるため、適切なヒップヒンジと体幹保持が必要です。初心者はいきなり高重量を扱わず、軽負荷でフォームを身につけてください。すでに腰痛やしびれがある場合は自己判断で続けず専門家へ相談しましょう。

Q4. RDLとグッドモーニングはどちらがおすすめですか?

A. 目的によって変わります。ヒップヒンジを負荷トレーニングへ発展させ、大臀筋やハムストリングスへ段階的に負荷を加えたい場合はRDLを使いやすいと考えています。グッドモーニングはバーベルを背中に担ぐため、体幹保持を含めた別の課題を与えたい場面で使えます。種目名ではなく、改善したい動作から選んでください。

Q5. ハムストリングスに効かないときはどうしますか?

A. まず重量を増やすのではなくフォームを確認してください。膝が大きく曲がってスクワットに近くなっていないか、お尻を十分に後ろへ引けているか、RDLならバーが身体から離れていないかを見ます。真横から動画を撮ると確認しやすいですよ。ただし「効く感覚」だけが正しいフォームの判定基準ではありません。

ヒップヒンジを身につけよう

ヒップヒンジは、腰を曲げて上半身を前へ倒す動作ではありません。脊柱と骨盤の位置を保ちながら、お尻を後ろへ引いて股関節を曲げることが基本です。

最初は壁タッチや棒を使って自重で練習し、動作を再現できるようになったらダンベルRDLやバーベルRDLへ進みます。

RDLはバーベルを身体の前で保持しながら股関節を動かすため、負荷を調整しながらヒンジ系の筋力を高めやすい種目です。一方、グッドモーニングではバーベルを背中に担ぐため、体幹の姿勢を維持しながらヒンジする技術がより求められます。

  • 腰を曲げず股関節を後ろへ引く
  • ヒンジ習得は壁タッチや棒から始める
  • RDLはバーを身体の近くで動かす
  • グッドモーニングは軽負荷から始める
  • 可動域よりフォームの維持を優先する
  • 種目ではなく改善したい課題から選ぶ

私が選手を見るときも、重量や回数を増やすことだけを目標にはしません。腹圧や姿勢を保ち、腰椎で代償せず、狙った股関節の動きをコントロールできているかを優先します。

フォームが変われば重量を下げる。痛みや違和感が出れば中止する。必要なら種目そのものを変更する。この判断もトレーニングの一部です。

「どの種目をやるか」ではなく「この選手の何を変えたいのか」から考える。ヒップヒンジもRDLもグッドモーニングも、そのために使う選択肢の一つとして活用していきましょう。

-種目・部位別