こんにちは。訪問いただきありがとうございます。ライフスタイルの知恵袋、トレーニング担当のバラさんです。
今日は、トレーニング中の音楽の効果が気になっているあなたに向けて、「実際どこまで意味があるのか」「デメリットはないのか」を整理してお話しします。筋トレ音楽やトレーニングBGMでやる気は上がるけれど、本当に運動パフォーマンスに効いているのか、少し迷いますよね。
この記事では、筋トレやウエイトトレーニングでの音楽の使い方、BGMの選び方、モチベーションや集中力への影響、有酸素運動と筋トレそれぞれに合う音楽の考え方までまとめていきます。トレーニング中の音楽のメリット・デメリットを押さえつつ、「自分のトレーニングにはこういう音楽をこう使えばいいな」とイメージできるところまで、一緒に整理していきましょう。
ポイント
- トレーニング音楽の効果と注意点の基本が分かる
- 筋トレ音楽とBGMをどう選ぶか具体的にイメージできる
- ウエイトトレーニングや有酸素運動別の使い分けが分かる
- 自分だけのトレーニング音楽プレイリストを組むヒントが得られる
コンテンツ
トレーニング中に聞く音楽の効果を科学的に解説
まずは、トレーニング音楽の効果がどんなメカニズムで生まれているのか、ざっくり科学的な視点で整理していきます。運動音楽の効果を知っておくと、単に「気分が上がるから流している」から一歩進んで、「どの場面でどう使うか」を考えられるようになりますよ。
トレーニング中の音楽と脳科学の関係

音楽がトレーニングに効く理由は、けっきょく脳がどう反応しているかにあります。ここでは専門用語は押さえつつも、あなたの実感と結びつけながら、できるだけイメージしやすい形で分解してみますね。
音楽が運動モードのスイッチを入れる
トレーニング中に音楽を流すと、耳から入ったリズムやメロディに反応するのは聴覚だけではありません。体を動かす運動系のエリアも一緒に刺激されます。ノリの良い曲がかかった瞬間、じっとしていられなくなる感覚ってありますよね。あれは、脳が「そろそろ動くぞ」と準備を始めて、運動モードに切り替えているサインです。だからこそ、最初の1〜2曲で何を流すかが、ウォームアップの入り方にもけっこう影響してきます。
ドーパミンとやる気アップの仕組み
音楽を聴くとき、脳内ではドーパミンやセロトニンといった物質が分泌されます。どれも「快感」「安心感」「やる気」に関わる重要なキャラクターです。特に好きな曲や思い入れのある曲は、報酬系と呼ばれる回路を刺激しやすく、「よし、やるか」という気分を一段ギアアップしてくれます。気持ちが乗らない日ほど、信頼できる1曲をスタートの合図にしておくと、気分の切り替えがスムーズになりますよ。
リズム同期が動きを無駄なく整える
もう一つ見逃せないのが「リズム同期」です。音楽のテンポと自分の動きが合ってくると、自然と動作が一定のリズムにまとまり、無駄な力みが減っていきます。良いトレーニング音楽は、フォームを崩さずに動きを整えてくれるメトロノームのような存在。特にウエイトを扱うときは、上げる速さ・下ろす速さを曲のビートに合わせるだけでも、フォームの安定感が変わってきます。
脳科学は目安、自分の感覚も大事
ここまでの話は、脳やホルモンの一般的なメカニズムをざっくりまとめたものです。もちろん個人差も大きいので、「こう感じる人が多い」という目安として捉えてください。実際には、あなたがどんな音楽で集中しやすいか、どのテンポだと動きやすいかを観察していくことが一番の近道です。
脳科学の知識は道しるべ、自分の感覚はコンパス。その両方を頼りに、トレーニング音楽との付き合い方を調整していけると理想的です。
筋トレ時の音楽が疲労感を軽くする理由
音楽を流すと、同じトレーニングでも少しラクに感じること、ありますよね。ここでは、その「疲労感が和らぐ仕組み」と、「それでも気をつけたいポイント」をコンパクトに整理していきます。
音楽がきつさから意識をそらしてくれる
筋トレ中に音楽をかけると、多くの人がまず実感しやすいのが「きつさがマイルドになる」感覚です。同じ重量・同じ回数でも、無音のときより主観的な疲労感が軽くなることがあります。これは、脳の注意が筋肉の痛みや息苦しさだけでなく、音楽にも分散されるからです。完全にごまかしているわけではなく、「つらさ一色」だった意識が少し薄まり、もう少し頑張れる余白が生まれるイメージに近いです。
レップテンポが整うと体もラクになる
音楽のもう一つのメリットが、レップ(回数)のペースを整えてくれることです。テンポが安定している曲に合わせると、「上げる速さ」「下ろす速さ」が自然と一定になりやすく、フォームも安定しやすくなります。フォームがブレると、変なところに力が入りやすく、それだけで余計な疲労感が増えてしまいがちです。狙った筋肉にしっかり効かせられれば、同じ負荷でも「効いているけれど、変な疲れ方はしていない」という感覚に近づいていきます。
「あと一回」を後押しするメンタル効果
いいところでサビが来ると、「もう一回いけるか」と背中を押される瞬間があります。音楽には、純粋な身体的な疲労だけでなく、「気持ちが折れそう」という精神的な疲労感をやわらげる側面もあります。特に好きな曲や、自分の中で「勝負曲」にしている一曲は、ラスト数レップの踏ん張りどころでかなり頼りになる存在です。
疲労感が軽くても無理はしない
注意しておきたいのは、音楽で軽くなるのはあくまで「感じ方」だということです。実際の筋肉や関節のダメージが消えているわけではありません。痛みをごまかしたまま無理をすると、ケガやオーバーワークにつながるリスクもあります。音楽で疲労感が和らいでも、「関節がズキッとしないか」「フォームが崩れていないか」といった体からのサインは、意識してチェックしておきたいところです。音楽はあくまで相棒であって、ブレーキ役は自分自身が担う、くらいの感覚がちょうどいいバランス。
トレーニング中の音楽とモチベーションの関係

「やる気が出ない日でも、音楽をかけると少し動けるようになる」──そんな経験があるなら、トレーニング音楽とモチベーションの関係をうまく活かせる余地があります。ここからは、音楽をただのBGMで終わらせず、トレーニングのスイッチに変えていく具体的なポイントを整理していきますね。
やる気が出ない日のBGMがしてくれること
筋トレや有酸素運動がまだ習慣になっていないうちは、「今日は正直しんどいな…」という日も普通にあります。そんなタイミングで静かな部屋に一人だと、なおさら腰が重くなりがちです。ここでトレーニング音楽を流すと、部屋の空気が少し変わります。完全に気分がノリノリになるわけではなくても、「とりあえずフォームだけでも確認するか」「ウォームアップだけやってみようかな」と、最初の一歩を踏み出しやすくなるんですね。この「ゼロからイチ」を音楽に後押ししてもらうイメージです。
音楽と行動をセットにすると習慣化しやすい
効果をさらに高めたいなら、「この曲を聴いたらジムへ行く」「このプレイリストをかけたら筋トレスタート」といったマイルールを作るのがおすすめです。特定の音楽と行動をセットにしておくと、曲が流れた瞬間に脳が「あ、そろそろ体を動かす時間だ」と判断しやすくなります。いわば、自分専用のスタート合図をつくる感覚です。最初は意識的にやっていても、続けるうちに「この曲がかかると自然と準備を始めている」という状態に近づいていきます。
歌詞とメロディが自己効力感を押し上げる
トレーニング音楽を選ぶとき、歌詞やメロディに込められたメッセージも侮れません。「頑張る」「やり切る」「乗り越える」といったテーマの曲は、自己効力感、いわゆる「自分ならやれるかもしれない」という感覚を後押ししてくれます。落ち込んでいる日や、仕事で消耗したあとほど、前向きな歌詞と力強いメロディがメンタルの支えになります。もちろん、静かな曲が落ち着きをくれる日もあるので、その日の心境に合わせて「気持ちに合う一曲」を選んであげるのがポイントです。
モチベーションを音楽に預けすぎないバランス感
とはいえ、モチベーションのすべてを音楽任せにしてしまうと、イヤホンがない日は何もできなくなってしまいます。理想は「音楽があれば一歩踏み出しやすくなるし、なくても最低限は動ける」というバランスです。
やる気がない日の背中をそっと押してくれるのがトレーニング音楽、本当にブレーキを踏むべきかどうかを判断するのは自分自身。この役割分担さえ意識しておけば、音楽は長く付き合える心強いモチベーションパートナーになってくれます。
トレーニング中の音楽で集中力を高めるコツ
トレーニング中に周りの音が気になって、フォームに意識を向け続けるのが難しい…というのはよくある悩みです。ここでは、音楽をうまく使って集中力を高める方法と、逆に邪魔になってしまうパターンを整理していきます。
雑音がフォームの意識を削っていく
ジムや自宅でトレーニングをしていると、スタジオレッスンの音楽、マシンの駆動音、人の話し声など、いろいろな音が飛び込んできます。こうした雑音が多い環境では、フォームや筋肉の動きに意識を集中させ続けるのは意外と大変です。セットの後半ほど周りの音に気が散りやすくなり、「どこに効かせたいのか」がぼやけてしまうことも少なくありません。
音楽を使ってノイズをカットする
そこで役に立つのが、「環境ノイズカット」としてのトレーニング音楽です。イヤホンで自分のトレーニングBGMを流すだけでも、外から入ってくる情報量をぐっと絞れます。完全な無音では落ち着かない人でも、一定のリズムの音楽が一枚フィルターになってくれるイメージです。集中力を上げたいときは、シンプルなビートで、歌詞が前に出すぎない曲を選ぶと、動作や呼吸に意識を向けやすくなります。
集中力アップのつもりが逆効果になるパターン
一方で、「集中したくて音楽をかけたのに、むしろ邪魔になっていた」というケースもあります。例えば、日本語の歌詞に意識が引っ張られて、フォームへの注意が薄くなってしまうパターン。テンポが速すぎる曲に引きずられ、必要以上にスピード重視の動きになってしまうパターン。さらに、音量が大きすぎて周囲の状況やトレーナーの声が聞こえにくくなり、安全面でマイナスになることもあります。どれも「音楽の主張が強すぎて、トレーニングそのものへの集中が奪われている」状態です。
フォーム習得中は音楽を控えめにする
特にフォーム習得中や、初めて扱う重量を試すときは注意が必要です。この段階では、どの筋肉を使っているか、どこに違和感がないかなど、体からの細かいサインを拾いたいタイミングです。そんなときは、歌詞の少ない落ち着いた曲を小さめの音量で流すか、いっそ音楽を止めて動きだけに集中するのもありです。まずは「音楽なしでもフォームに集中できる状態」をつくっておくと、そのあとでBGMを足したときも、集中力をキープしやすくなります。
トレーニングBGMのデメリットと注意点

トレーニングBGMにはやる気アップや集中しやすくなるメリットがありますが、一方で見落としがちなデメリットもいくつかあります。ここでは、「どんなリスクがあるのか」「どう気をつければ安全に使えるのか」を、ポイントごとに整理していきますね。
音量が大きすぎると耳への負担が増える
まず押さえておきたいのが、トレーニングBGMの音量による耳への負担です。イヤホンの音量を常に大きくしていると、耳の中の細かい細胞にストレスがかかり、難聴リスクが高まる可能性があります。特にジムの環境音をかき消そうとしてボリュームをどんどん上げてしまう人は要注意です。
目安としては、「音量は最大の半分前後まで」「周囲の声がうっすら聞こえる程度」に抑えておくのがおすすめです。ただ、具体的な安全基準は機器やガイドラインによって異なります。正確な情報は必ず公式サイトや取扱説明書をチェックしてください。もし耳鳴りが続いたり、聞こえづらさを感じた場合は、すぐに音量を下げるか使用をやめて、必要に応じて専門の医療機関に相談しましょう。
BGMで周囲の音が消え安全確認が遅れる
もうひとつのデメリットが、安全面のリスクです。トレーニングBGMに没頭しすぎると、周囲の音が聞こえにくくなります。ジムでは、後ろから人が近づいたり、器具が倒れそうになったり、トレーナーからフォームの指示が飛んでくることもあります。こうした音を拾えないと、声かけに気づかずにぶつかったり、危険なフォームのまま続けてしまう可能性もあります。
特にフリーウエイトエリアは人と器具の動きが複雑なので、音楽の音量は控えめにして「周囲の気配だけは分かる」状態をキープしておくと安心です。
音楽がないとトレーニングできない依存状態
トレーニングBGMのデメリットとして、意外と見逃されがちなのが「音楽への依存」です。毎回イヤホンがないと気分が上がらない、スマホのバッテリーが切れた瞬間にやる気もゼロになる…という状態になってしまうと、トレーニングの主導権が環境側に移ってしまいます。
本来は、音楽はあくまでプラスアルファのサポート役。ときどき「今日はあえて音楽なしでやってみる日」を作って、静かな環境でも最低限のメニューはこなせるようにしておくと、メンタル的な耐性もついていきます。また、フォーム習得が必要な段階では、歌詞や激しいリズムが逆に集中を乱すこともあります。そんなときは、シンプルなインスト曲か、思い切ってBGMオフで動作に集中するのも選択肢です。
デメリットを理解してBGMを味方にする
トレーニングBGMには、音量の問題や安全性、依存などいくつかのデメリットがあるのは事実です。ただ、それを理解したうえで「ここは音楽の力を借りる」「ここはあえて音楽を切る」と線引きできれば、良い部分だけを上手に拾っていくことができます。
トレーニング内容や体調、ジムの混み具合などによって、適切な音量や使い方は変わります。最終的な判断は、自分の感覚だけで決めずに、必要に応じてトレーナーや医療・音響の専門家にも相談してもらえると安心です。BGMのデメリットを知ったうえで付き合っていけば、音楽は長く頼れるトレーニングパートナーになってくれます。
トレーニング中の音楽の効果を高める実践法
ここからは、トレーニング音楽の効果を日々の筋トレや有酸素運動でどう活かすか、具体的なやり方に落としていきます。ウエイトトレーニング音楽の選び方やBPMの目安、プレイリストの組み方など、実際にジムで使えるレベルまでイメージしてもらえるようにお話ししていきますね。
ウエイトトレーニング中の音楽の選び方

ウエイトトレーニング用の音楽は、「なんとなく好きな曲」よりも「どんなセットをやるか」に合わせて選ぶと、体感がガラッと変わります。ここでは、セットの目的別に、どんなタイプのBGMが相性がいいのか整理していきます。
まずはセットの目的から考える
ウエイトトレーニングの音楽を決めるとき、最初に考えたいのは「このセットで何を狙うか」です。ざっくり分けると、
・高重量で少ない回数の筋力アップ寄りのセット
・中重量で8〜12回前後の筋肥大寄りのセット
・軽めの重量でフォームを確認するテクニック寄りのセット
といったイメージになります。この3つは、求める感覚が違うので、ハマる音楽のタイプも少しずつ変わってきます。
筋力アップセット向けの音楽
高重量を扱う筋力アップ寄りのメインセットでは、「ここ一発」の気持ちを引き上げてくれる音楽が向いています。攻撃的なロックやメタル、力強いビートのヒップホップなどは、挙上前の集中を高めてくれる定番です。テンポはやや速めでも問題ありませんが、音楽に引きずられてフォームが雑にならないようにだけ注意したいところです。あくまで主役はバーベルと自分の身体で、音楽はその背中を押す役、くらいの感覚がちょうどいいです。
筋肥大セット向けのリズム重視の選び方
8〜12回前後を狙う筋肥大寄りのセットでは、「テンション」より「一定ペースで丁寧に効かせること」が大事になってきます。ここでは、リズムがはっきりしていて、120〜140BPM前後の曲が扱いやすいです。たとえば、「2秒で下ろして1秒で上げる」といったテンポを曲のビートに合わせて決めてしまうと、毎レップの質が揃いやすくなります。同じ重量でも、テンポが整うだけで効き方が変わってくるので、リズムとの相性はぜひ意識してみてほしいポイントです。
テクニック重視セットの静かなBGM
フォーム確認を中心にしたテクニック寄りのセットでは、派手な音楽よりも「邪魔をしないBGM」が向いています。歌詞が控えめなインスト曲や、意味が頭に入りにくい英語の曲を小さめの音量で流す程度にして、動きや呼吸の感覚を優先するのが安全です。新しいフォームを覚えるときや、初めて扱う重量を試すときは、いっそ音楽を切って、鏡と自分の体だけに集中する日をつくるのもありです。そのほうが細かい違和感やズレに気づきやすくなります。
選び方のコツを押さえて音楽を味方にする
結局のところ、ウエイトトレーニング音楽の選び方は「セットの目的に合わせる」が基本軸になります。筋力アップならテンションが上がる曲、筋肥大ならテンポの取りやすさ、テクニック重視なら邪魔にならないBGMや無音。こうした軸をひとつ持っておくと、その日のメニューやコンディションに合わせて柔軟に音楽を使い分けられます。
好きな曲をただ流すのも楽しいですが、「今日はこの目的だから、この音楽」と選べるようになると、トレーニングと音楽の相性がぐっと良くなっていきます。
トレーニングBGMのBPM設定の目安と考え方
筋トレ用BGMを選ぶとき、「テンポはどのくらいが正解?」と迷う人は多いです。ここでは、トレーニング種目ごとのBPMの目安と、安全に使いこなすためのポイントをまとめていきます。
種目別BPM目安をざっくり押さえる
まずは代表的なトレーニングとBPMの目安を整理しておきましょう。
| トレーニングの種類 | BPMの目安 | イメージ |
|---|---|---|
| 高重量ウエイト(5回前後) | 110〜130 | 落ち着いているけど力強いテンポ |
| 筋肥大セット(8〜12回) | 120〜140 | リズムが取りやすい標準的なテンポ |
| サーキット・自重トレ | 130〜150 | テンポ良く動き続けられるノリ |
| ランニング・有酸素 | 120〜150 | ピッチに合わせてペースを維持しやすい |
| ストレッチ・クールダウン | 60〜90 | 呼吸を整えやすいゆったりテンポ |
数字はあくまで目安、自分のリズムを優先する
上のBPMは、多くの人にとって扱いやすいレンジをまとめたものです。ただ、実際のトレーニングでいちばん大事なのは「自分の動作リズムが安定しているかどうか」。曲のBPMだけを正解にせず、
・フォームが崩れないか
・呼吸が乱れ過ぎていないか
・狙った筋肉にしっかり効いているか
といった感覚も合わせてチェックしてみてください。「数字は目安、最終的には自分の体感で微調整する」くらいのスタンスがちょうどいいです。
安全基準とデバイスの設定も確認しておく
BPMの設定やトレーニング中の安全基準は、使っているアプリやデバイスごとに仕様が異なります。細かい条件や制限、推奨設定を知りたいときは、それぞれの公式サイトや取扱説明書を確認しておくと安心です。
特に、インターバルトレーニング用のアプリやランニングウォッチは、BPMとピッチの連動機能を持つものもあるので、機能を理解しておくと便利です。不安がある場合や持病がある場合は、トレーナーや医療専門職に相談しながら設定してもらうのがおすすめです。
レップテンポと目安BPMを結びつけて活用する
BPMの目安を実際の動きに落とし込むには、自分のレップテンポとざっくり結びつけて考えると分かりやすくなります。例えば、「2秒で下ろして1秒で上げる」ベンチプレスなら、1レップに約3秒かかります。1分間に20レップペースで動くと仮定すると、1分あたり約60拍の曲に合わせて、1拍ごとに動作を刻むイメージが持てます。
こんなふうに、自分のテンポとBPM目安をリンクさせておくと、曲選びが単なる「雰囲気重視」ではなく、「動きやすさ重視」に変わっていきます。数字はあくまでガイドですが、上手に使えばトレーニングのリズム作りにかなり役立ってくれますよ。
トレーニング中の音楽プレイリストの組み方
その場の気分で曲を選ぶより、あらかじめ目的別にプレイリストを組んでおくと、トレーニングの質がかなり変わってきます。ここでは、最初に作っておきたい基本構成と、実際の使い分けのコツをまとめていきます。
まずは3種類のプレイリストを用意する
最初のステップは、用途別にざっくり3種類のプレイリストを作ることです。
・ウォームアップ用(やや遅め〜標準テンポ)
・メインの筋トレ用(120〜140BPM中心)
・有酸素・サーキット用(やや速めテンポ)
この3つがあれば、ほとんどのトレーニングシーンをカバーできます。あとは、少しずつ曲を入れ替えながら、自分仕様に育てていくイメージです。
ウォームアップ&メイン筋トレ用プレイリスト
ウォームアップ用のプレイリストには、いきなりテンションMAXになる曲ではなく、じわっと気持ちと体を温めてくれる曲を入れます。テンポは標準〜やや遅めくらいがちょうどいいです。
メインの筋トレ用プレイリストには、好きな筋トレ音楽を中心に、レップテンポを合わせやすい曲を集めます。120〜140BPMあたりのリズムがはっきりした曲だと、「2秒で下ろして1秒で上げる」などの動きのペースを保ちやすくなります。
有酸素・サーキット用プレイリストの作り方
有酸素運動やサーキットトレーニング用のプレイリストは、あまり展開が激しすぎない曲の方がペースを守りやすいです。一定のビートが続くものを中心にすると、動きがブレにくくなります。
「この曲が流れたら少しペースアップ」「この曲が来たらクールダウン」といった感じで、曲の順番に意味を持たせるのもおすすめです。音楽の流れに合わせて、トレーニング全体の強弱をつけやすくなります。
勝負セット用の1曲でスイッチを入れる
プレイリストに慣れてきたら、「勝負セット用の1曲」を決めておくと便利です。その曲が流れた瞬間に、「ここから集中モード」と頭と体が切り替わるようにしておくイメージです。
重いセットの前やラストセットなど、「ここを乗り切りたい」という場面のルーティンとして使うと、メンタル面の安定剤にもなります。プレイリスト全体と合わせて、この1曲をどう使うかまで決めておくと、音楽がより強力なトレーニングツールになってくれます。
トレーニング中の音楽による効果がないと感じるとき

せっかく音楽を取り入れているのに、「正直あまり変わらない…」と感じることもあります。そんなときは、音楽そのものが合っていないのか、トレーニング側に理由があるのか、いくつかのポイントを順番に見直してみるのがおすすめです。
好きでもない曲を無理して使っていないか
よくあるのが、「筋トレに効くらしい」と聞いて入れた有名曲が、自分の好みに全然合っていないパターンです。どれだけ“筋トレ向き”と評判でも、聴いていてワクワクしなければモチベーションは上がりません。
プレイリストが世間のおすすめだらけになっているなら、一度まっさらにしてみてもいいかもしれません。普段よく聴いているアーティストや、気分が上がる曲だけを集め直すと、「あれ、前より少し楽しいかも」という感覚が出てくることがあります。
テンポがトレーニング内容とズレていないか
音楽のテンポとトレーニング内容がかみ合っていないと、効果を感じにくくなります。フォームを丁寧に確認したい日なのに、BPMの高い曲ばかり流していると、どうしても動きが急ぎがちになりますよね。逆に、しっかり追い込みたいのにテンポが遅すぎて、いつまでもギアが上がらないこともあります。
「今日はフォーム重視だから落ち着いた曲」「今日はガッツリ追い込むから少し速め」くらいのざっくりした分け方でいいので、その日のメニューとテンポの相性を意識してみると、体感が変わりやすいです。
メンタルや体調が落ちている日は効きづらい
どんなに良い音楽でも、心身がかなり消耗している日は、効果を感じにくいことがあります。仕事やプライベートで疲れ切っていると、「曲は悪くないけど、今日はどうしても乗りきれない」という日もありますよね。
そんな日は、無理に高強度の筋トレをねじ込むより、ストレッチや軽い有酸素運動だけに切り替えて、いったんリセットするのも立派な選択です。「今日は整える日」と割り切った方が、結果的にトレーニングを長く続けやすくなります。
長引く不調はトレーニングだけで抱え込まない
気分の落ち込みや体調不良が何週間も続くような場合、音楽やトレーニングだけで解決するのは難しいこともあります。そういうときは、「根性が足りないからだ」と自分を責めたり、トレーニングで無理にカバーしようとしないことが大切です。
症状が長引いたり、日常生活にも影響が出ていると感じたら、早めに医療機関や専門家への相談も検討してください。トレーニング音楽はあくまでサポート役。本格的な不調のケアまでは担当させず、必要なところはプロの手を借りた方が安心です。
まとめ|トレーニング時の音楽の効果を最大化する
メリット(トレーニング中に音楽を聞く利点)
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音楽が運動モードのスイッチになり、ウォームアップに入りやすくなる
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ドーパミン・セロトニンの分泌を促し、やる気や気分を引き上げてくれる
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リズム同期で動作のテンポが整い、フォームが安定しやすくなる
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同じ強度でも主観的な疲労感がマイルドになり、「もう少し頑張れる」余白が生まれる
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サビや盛り上がりで「あと一回」を踏ん張るメンタル的な後押しになる
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音楽とトレーニングをセットにすることで、「この曲がかかったら始める」という習慣化がしやすい
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イヤホンBGMがジムの雑音を適度にカットし、フォームや筋肉の感覚に集中しやすくなる
デメリット(マイナスになり得るポイント)
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音量が大きすぎると耳への負担が増え、難聴リスクが高まる可能性がある
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BGMで周囲の音(人の接近や器具の音、トレーナーの声)が聞こえにくくなり、安全確認が遅れることがある
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日本語の歌詞や激しいリズムに意識を持っていかれ、フォームへの集中が途切れやすくなる
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テンポがトレーニング内容と合わないと、動きが急ぎすぎたり逆にギアが上がらず、効果を感じにくい
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音楽がないとトレーニングできない「依存状態」になると、イヤホンやスマホの有無にパフォーマンスが左右される
注意点(安全に効果を引き出すためのポイント)
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音楽で軽くなるのはあくまで「疲労感」であり、筋肉や関節の実際のダメージは減らないことを忘れない
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痛みや違和感をごまかしたまま続けるとケガやオーバーワークにつながるため、体からのサインは常にチェックする
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フォーム習得中や初めて扱う重量のときは、歌詞少なめ・音量小さめ、もしくはあえて無音で動きに集中する
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BPMや音量の「正解」は人や機器によって異なるため、公式マニュアルやガイドラインも確認しつつ、自分の体感で微調整する
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気分の落ち込みや体調不良が長く続く場合は、音楽やトレーニングだけで抱え込まず、早めに医療機関や専門家への相談も検討する
参考文献・参考資料
- Karageorghis, C. I., & Priest, D. L. (2012). Music in the exercise domain: A review and synthesis (Part II). International Review of Sport and Exercise Psychology, 5(1), 67–84.
URL:https://bura.brunel.ac.uk/handle/2438/6755 - Terry, P. C., Karageorghis, C. I., Curran, M. L., Martin, O. V., & Parsons-Smith, R. L. (2020). Effects of music in exercise and sport: A meta-analytic review. Psychological Bulletin, 146(2), 91–117.
URL:https://doi.org/10.1037/bul0000216 - World Health Organization & International Telecommunication Union. (2019). WHO-ITU global standard for safe listening devices and systems. Geneva: WHO.
URL:https://www.who.int/publications/i/item/9789240035292 - World Health Organization. (2021). Deafness and hearing loss(難聴と騒音・ヘッドホン利用に関する解説ページ).
URL:https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/deafness-and-hearing-loss